超難易度の塗装技術が必要とされるバルタン星人。
資料も少なく、当時の映像も暗い照明下での撮影で本当の色味が判り難くかったのですが、最近のデジタルマスタリング処理の画像のお陰で詳細な色味の判断が出来るようになりました。
これより本塗装に入りますが、詳細な塗装レシピ・テクニックを余すところ無くお伝えして行こうと思っています。
ご参考にして下さい。
まずは、下半身部分より開始します。
下半身は、3段階で塗装していきます。
まずは、第1段階塗装です。
①アンダーのベース色は、黒ではなくマホガニー+ブラックグリーン+鑑底色をオリジナルブレンドしたものを0.5mmエアーブラシで塗装します。
②乾燥後、0.5mmエアーブラシでホワイトを超薄めたものを様子を見ながら塗装して行きます。
③乾燥後、0.2mmエアーブラシでサンドイエローを薄めたものをフリーハンドで入れて行きます。
④乾燥後、0.2mmエアーブラシで赤褐色を薄めたものをフリーハンドで入れて行きます。
⑤乾燥後、0.2mmエアーブラシで黄橙色を薄めたものをフリーハンドで入れて行きます。
⑥乾燥後、0.2mmエアーブラシでキャラクターイエローを薄めたものをフリーハンドで入れて行きます。
⑦乾燥後、0.2mmエアーブラシでオレンジを薄めたものをフリーハンドで入れて行きます。
下半身本塗装第2段階に入ります。
①10mmマスキングテープをカッティングマットに貼り付け、5mmの間隔で三角形にデザインナイフでカット
していきます。
②カット後、イレギュラー感を出すためフリーハンドで均等にカットした三角形をカットしていきます。
③本体に三角形に仕込みしたマスキングテープを、貼っていきます。
④0.2mmエアーブラシでライトブルーを薄めたものを三角形にカットした側のみに塗装していきます。
⑤塗装後、マスキングテープを直ぐに外し再度間隔や質感を見ながらライトブルーをフリーハンドで塗装してい
きます。
⑥乾燥後、赤褐色とオレンジをブレンドしたものを質感を見ながら塗装していきます。
⑦最後に、0.5mmエアーブラシでつや消しクリアーを全体に塗装していきます。
次に、上半身・ヘッド部分の本塗装に入りますがその前に、製作工程上先に一部配線加工をしておきます。
①まず下半身部分を完全マスキングをしておきます。
勿論、上半身の塗装干渉防止のためですが持ち手としての機能も兼ねています。
②両ハサミのLED配線のみハンダ付けし、隣同士の配線干渉防止の為グルーガンでコーティングしておきます。
コーティング後、必ずLEDが点灯するかテストしておきます。
③ヘッド部分の目のLED配線と繋げる足元からの配線を、胴体から通して首の外まで出しておきます。
④最後に、上半身と下半身を結合させポージングを確認し接着します。
上半身、ヘッド、ハサミの本塗装に入ります。
今回も、下半身同様3段階で塗装していきます。
まずは、第1段階塗装です。
①下半身同様、アンダーのベース色(マホガニー+ブラック・グリーン+艦底色)を薄めに撹拌し、0.5mmエ
アーブラシで様子を見ながら塗装していきます。
(*今回、写真は割愛しています)
②乾燥後、ベース色にブラックを少量加えたものを薄めにし、0.2mmエアーブラシで陰影感を考えながら塗装
していきます。
上半身、ヘッド、ハサミの本塗装第2段階に入ります。
①全体にマスキングをしておきます。
②0.5mmエアーブラシでハサミをファインシルバーで塗装します。
③乾燥後、ハサミ内のLEDマスキングを外し開き具合を考慮しながらハサミを接着しておきます。
④0.2mmエアーブラシで上半身、ヘッドをファインシルバーを薄めにし濃淡を考えながら塗装します。
⑤乾燥後、0.2mmエアーブラシでライトブルーを薄めにし塗装します。
⑥乾燥後、下半身後部三角部分にキャラクターイエローとイエローの混合色を塗装します。
⑦乾燥後、0.2mmエアーブラシでサンディーブラウンを薄めにしヘッド目の周り、口周りを塗装します。
⑧乾燥後、0.2mmエアーブラシで赤褐色を薄めにしハサミ根本部分を塗装します。
⑨乾燥後、最後に0.5mmエアーブラシでつや消しクリアーを全体に塗装します。
全体の本塗装第3段階に入る前に、目の電飾配線をハンダ付けしグルーガンで絶縁処理を終えた後、ヘッド部分をボディー部分に接着します。
その際必ず、LEDの発光テストをしておきます。
次に、両腕のポーズを決め(今回は、クライアント様のご希望で両腕を下に下ろしている感じでのポージング依頼)接着します。
全体のマスキングを取り、第3段階前の準備終了です。
いよいよ本塗装最終第3段階目に入ります。
その前に、第2段階での背面の塗装が納得出来なかったので、手直しをしておきました。
ご依頼品。
今回の「ビリケン商会 アントラー」は、初代ウルトラマン第7話に登場した人気のある怪獣です。
クライアント様のご希望は、劇中と同じデザインで触角を増やして欲しい(*このキットには、触角は原型から省かれています)との事で、後はお任せです。
全高は23㎝ですが、横幅・奥行きがあり存在感のある大きさのスケールに見えます。
素材は、「ソフビ」製です。
まずは、洗浄をし仮組みをします。